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日別アーカイブ: 2026年7月21日

寺口建設のよもやま話~巨大な橋桁を安全に~

皆さんこんにちは!
株式会社寺口建設、更新担当の中西です。

 

~巨大な橋桁を安全に~

 

橋梁工事のなかでも、特に迫力があるのが橋桁の架設工事です。

大型クレーンで巨大な鋼桁を吊り上げる作業や、少しずつ橋桁を前方へ送り出す作業は、橋梁工事を象徴する光景といえるでしょう。しかし、橋桁は非常に重く、長さもあるため、少しの判断ミスが重大な事故につながる可能性があります。

そのため、橋桁の架設には、構造、測量、溶接、ボルト締結、クレーン操作、交通規制、安全管理など、さまざまな技術が必要です。そして、それぞれの担当者が共通の計画に基づき、正確に連携することが求められます。

今回は、橋の上部を構成する橋桁や床版を施工する技術について紹介します😊

橋の上部工とは何か?🔍

橋梁は、大きく「上部工」と「下部工」に分けられます。

下部工は橋台、橋脚、基礎など、橋を地面から支える構造です。上部工は、その上に設置される橋桁、床版、舗装などを指します。

橋桁は、車両や歩行者の荷重を受け止め、支承を通して橋台や橋脚へ伝える重要な部材です。材料には鋼材やコンクリートなどが使用され、橋の長さ、用途、周辺条件に応じて構造形式が選ばれます。

鋼橋では、工場で製作した鋼桁を現場へ運び、クレーンなどで架設します。コンクリート橋では、工場で製作したプレキャスト桁を使用する方法や、現場で型枠と鉄筋を組み、コンクリートを打設する方法などがあります。

工場製作の精度が現場施工を支える🏭

鋼桁は、現場ですべてを一から製作するのではなく、工場で部材ごとに製作されることが一般的です。

工場では、設計図に基づいて鋼板を切断し、曲げ、組み立て、溶接します。部材には非常に高い寸法精度が求められます。穴の位置や部材の長さがずれていると、現場で正しく接合できません。

溶接部については、外観だけでなく内部に欠陥がないかを確認するため、必要に応じて超音波探傷試験などの非破壊検査が行われます。溶接内部の空洞や割れを、構造物を壊すことなく確認する技術です。

また、工場内で一度仮組みを行い、部材同士が正しく組み合わさるかを確認する場合もあります。現場では作業スペースや時間が限られるため、工場での品質管理が架設工事の円滑さを左右します📋

大型部材を現場まで運ぶ輸送技術🚛

完成した橋桁は、大型トレーラーなどで現場へ運搬されます。

しかし、橋桁は非常に長く、重量も大きいため、一般的な荷物のように簡単には運べません。道路の幅員、交差点の形状、曲がり角、電線、標識、高架下の高さ、道路の耐荷重などを事前に調査します。

必要に応じて、輸送しやすい長さに分割して工場製作し、現場で接合します。輸送時間を夜間に設定したり、誘導車を配置したりすることもあります。

橋梁工事では、「つくれるか」だけではなく、「現場まで運べるか」という視点も重要です。設計、製作、輸送、架設を一体として考える必要があります🚧

クレーン架設では重量と作業半径を計算する⚖️

橋桁の架設方法として代表的なのが、クレーンによる吊り上げです。

クレーンは、吊り荷の重量だけで能力が決まるわけではありません。クレーン本体から吊り荷までの距離である作業半径が大きくなるほど、吊り上げられる重量は小さくなります。

そのため、橋桁の重量、重心位置、吊り点、作業半径、ブームの長さ、設置地盤の強度などを事前に計算します。

クレーンを設置する地盤が弱いと、アウトリガー部分が沈下し、機体が傾く危険があります。敷鉄板を設置して荷重を分散させたり、事前に地盤の支持力を確認したりすることが重要です。

また、長い橋桁は風の影響を受けやすいため、風速を確認しながら作業します。地上では穏やかでも、高い場所では風が強い場合があります。無理に作業を進めず、中止基準を守ることが安全確保につながります🍃

合図と無線による確実な連携📢

橋桁の架設では、クレーンオペレーターから吊り荷の反対側が見えないことがあります。そのため、合図者や監視員を配置し、無線や決められた手合図で誘導します。

複数の人が同時に異なる指示を出すと、オペレーターが混乱します。そこで、誰が指示を出すのかを明確にし、合図を統一します。

「少し上げる」「ゆっくり旋回する」「停止する」といった動作を、一つずつ確認しながら進めます。橋桁を支承の上へ設置するときには、作業員が位置を確認し、細かく調整します。

大型重機を使用する架設工事は、機械の能力だけで成立するものではありません。現場全体の状況を把握し、全員が同じ手順で動くチームワークが欠かせないのです🤝

現場条件に応じたさまざまな架設方法🌁

橋桁の下にクレーンを設置できるとは限りません。

深い谷、幅の広い河川、鉄道、高速道路などをまたぐ場合には、クレーン以外の方法が選択されることがあります。

送り出し架設は、橋桁を片側の橋台後方などで組み立て、少しずつ前方へ送り出す方法です。橋の下へ大型クレーンを設置しにくい現場でも施工できる可能性があります。

また、橋桁を複数のブロックに分け、橋脚から左右へバランスを取りながら張り出していく工法もあります。谷が深く、地上から支保工を設置しにくい場所などで活用されます。

海上や河川では、台船に橋桁を載せて運び、潮位や水位を利用して設置する方法もあります🚢

どの工法にも長所と注意点があり、橋の構造、現場条件、工期、安全性、交通への影響などを比較して選択されます。

高力ボルトと溶接による接合技術🔧

分割して運ばれた鋼桁は、現場で接合されます。

代表的な接合方法が、高力ボルトによる摩擦接合です。接合面同士を強い力で締め付け、その摩擦によって力を伝えます。

高力ボルトは、ただ強く締めればよいわけではありません。締め付ける順序、締付け量、接合面の状態などを管理する必要があります。締め忘れや締付け不足を防ぐため、マーキングや記録を行いながら施工します。

現場溶接を行う場合には、天候や風の影響にも注意が必要です。雨や強風は溶接品質に影響するため、防風設備や作業用の囲いを設けることがあります。

接合部は橋全体の力を伝える重要な部分です。見た目では判断できない品質まで確認することが求められます。

床版工事で道路面の土台をつくる🛣️

橋桁を架設した後は、その上に床版を施工します。

床版は、自動車などの荷重を直接受け、橋桁へ分散させる構造です。鉄筋を配置してコンクリートを打設する方法や、工場で製作したプレキャスト床版を設置する方法などがあります。

床版には、走行車両による繰り返し荷重がかかります。また、雨水や凍結防止剤などの影響も受けます。そのため、鉄筋の位置、コンクリートの締固め、ひび割れ防止、排水、防水などの品質管理が重要です。

床版の上には防水層や舗装が施工され、伸縮装置、排水設備、高欄なども取り付けられます。安全に走行できる橋になるまでには、多くの工程が積み重ねられているのです✨

橋桁架設は技術と連携の総合力🌉

橋桁の架設工事には、巨大な部材を動かす迫力があります。しかし、その裏側では、重量計算、測量、輸送計画、クレーン配置、接合、気象判断、安全管理など、緻密な技術が使われています。

そして、設計者、工場製作担当者、運搬担当者、クレーンオペレーター、鳶工、溶接工、測量担当者、現場監督など、多くの人が連携して初めて橋桁を正しい位置へ設置できます。

橋梁の上部工は、機械と人の技術、そしてチームワークによって完成する、まさに総合的なものづくりなのです🏗️🌟